塗り薬のミノキシジル、通称「塗りミノ」の効果と副作用とは

掲載日:2020.03.25 更新日:2020.06.22

この記事の監修 アンファー株式会社

ミノキシジルは、その発毛効果の高さから薄毛治療に積極的に使用されています。特に頭皮に直接塗るタイプのミノキシジル外用薬(塗り薬)は、副作用は頭皮のかゆみ、発赤といった皮膚症状がほとんどで、長期間の使用を前提とする薄毛治療において使いやすい、続けやすい薬です。ここでは、ミノキシジルの塗り薬の効果についてお話しします。

最もポピュラーな薄毛治療薬、塗るタイプのミノキシジルの正しい使用法と効果

薄毛治療に効果的な成分「ミノキシジル」。ドラッグストアでも購入できる外用薬の「塗りミノ」と、国内では医師の診察・処方のもとでしか手に入らない「ミノタブ」と呼ばれる内服薬。ここではこのふたつのタイプのミノキシジル内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)の効き目についてご説明します。

このコラムのポイント

  • ミノキシジルについての基礎知識
  • ミノキシジルを主成分とする薬の種類について
  • ミノキシジルの塗り薬における効果と副作用
  • ミノキシジルの塗り薬の正しい使用法
  • 海外からの個人輸入について

まずは「ミノキシジル」について知ろう

ミノキシジルは、もとは高血圧症の患者様への降圧剤として開発されました。服用者の副作用に多毛症が見られ、ミノキシジルの発毛効果が注目されたのが、今日のミノキシジルの始まりです。

ミノキシジルの開発経緯について

研究が重ねられ、その後アメリカでミノキシジル2%溶液が「ロゲイン」という商品名で発売されました。この「ロゲイン」は、アメリカのFDA(食品医薬品局)が初めて発毛剤として認めた薬でした。現在も頭髪への作用がFDAで認められているのは、ミノキシジルとフィナステリド、デュタステリドの3つだけです。(※1)

ただ、同じ頭髪への作用といっても、毛根の細胞へのダイレクトな働きかけによって発毛効果が認められている成分はミノキシジルだけ。

(※1 現在日本で厚労省が承認しているAGA治療に役立つ成分は「ミノキシジル」「フィナステリド」それに「デュタステリド」の3つです。)

国内で市販されているのはミノキシジル5%まで

薬液中にミノキシジルの成分量が多いほど薬剤の効果は高くなります。アメリカで7%、15%、16%という高い濃度のミノキシジルを含む薬が市販されていますが、国内では5%までの含有しか市販薬の認可がされていません。

ミノキシジル塗り薬の効果のほどは?

発毛効果の高さから、多くの人に使用されているミノキシジルですが、果たして効果のほどはどれほどなのでしょう。
「あまり生えてこない」「かなり生えてきた」という感想はあちこちで聞かれますが、個人の感想ではなく、数値としてどうなのかが気になるところです。
日本でよく知られるミノキシジル外用薬(塗り薬)を販売している製薬会社が、ミノキシジル5%製剤の臨床試験結果を公開しています。
それによると、24週間後、つまり6カ月後からは程度の差はあれ9割以上に改善が見られると、医師が評価しています。また、被験者の実感も1日2回の使用で12週間後にはおよそ半数近くの人が発毛効果を実感しており、52週間後には9割以上の人が効果を実感しています。
総毛髪数、太さ40μm以上の毛髪数においても明らかに増えています。

塗り薬と飲み薬のミノキシジル製剤の種類を知ろう

さて、ミノキシジルの効果が決して思い込みや噂だけではないことがお分かりいただけたところで、ミノキシジルの薬の種類について見てみましょう。

ミノキシジルには内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)があります。

ミノキシジル内服薬「ミノタブ」について

内服薬は、タブレットタイプ(錠剤)で通称「ミノタブ」。ただ、飲むタイプのミノキシジルは国内では医薬品として承認されていません。手に入れるには、ミノタブを扱っているAGA(男性型脱毛症)治療のクリニックを受診して処方してもらうのが一般的です。

塗り薬のミノキシジル外用薬「塗りミノ」について

外用薬(塗り薬)のミノキシジルは通称「塗りミノ」。日本ではリキッド(ローション)タイプのものが主流で、液状の薬剤を頭皮に塗布します。

塗り薬「塗りミノ」と内服薬「ミノタブ」のミノキシジルの効果と副作用

発毛効果のほどが証明されているミノキシジルですが、ここで外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)それぞれの効果と副作用について説明します。

飲み薬のミノキシジル内服薬「ミノタブ」の副作用

まず、内服薬のミノタブには、2.5mg、5mg、10mgの3種類があります。
成分が多ければ多いほど効果も高いのですが、副作用の報告もされています。

ミノキシジル成分が直接体内に取り込まれるので、内服薬はその効果も副作用も全身症状として現れることが多いようです。

発毛効果とあわせて、頭髪以外の場所への発毛(多毛症)、頭痛、身体(特に脚)のむくみ、動悸などが副作用としてあげられていますが、頭髪専門クリニック等で処方されている場合は、きちんと医師の診察を受け、指導に従った用法・用量であれば、そう怖がることはないでしょう。

塗り薬のミノキシジル外用薬「塗りミノ」の副作用

一方「塗りミノ」のほうは、頭皮に直接塗るだけあって、発疹、痒みといった皮膚の症状が確認されていますが、いずれも軽度です。皮膚症状が現れる場所もそのほとんどは塗った箇所とその周辺です。塗り薬は内服薬に比べ、全身への副作用が少なく、比較的安心して使用できるということでしょう。

二つのミノキシジル、塗り薬「塗りミノ」と内服薬「ミノタブ」の使用法

ミノキシジル内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)に限らず、どんな薬にも「食前」「食後」「1日●回」などと用法・用量が記載されています。それを守ることはとにかく鉄則です。

ミノキシジル内服薬(ミノタブ)の使用方法

今、このコラムを見てくださっている方で既にクリニックで処方されたミノタブを飲んでいる人、これから飲もうと思っている人もいらっしゃると思いますが、薄毛治療は短期間では叶いません。治療を開始したら、クリニックで処方された用法・用量に従って飲み続ける。とにかく頭髪にも「継続は力なり」が大事なのです。

ミノキシジル外用薬(塗り薬)の使用方法

さて、国内ではポピュラーなミノキシジルの塗り薬。頭皮に直接働きかける塗り薬だからこそ、ちょっとした配慮で薬の効き具合が変わります。

1.まずは頭皮を清潔に。薬を塗り込む頭皮が不潔ではいけません。皮脂で毛根が詰まっていては有効成分が毛乳頭細胞にまで届きません。
2.次に、薬剤が浸透するまでの放置時間をつくること。すぐに洗い流してしまうなんて言語道断です。
3.そして薬に書いてある使用法を守ること。やたらたくさん塗っても効果が倍増するわけではありません。

いかがですか?そんなに難しいことではありませんよね。ちょっとした心がけでミノキシジルの発毛の効果が変わるなら、惜しまずに心がけたいものです。

ミノキシジル(飲み薬・塗り薬)なら発毛効果が期待できる?

内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)の2種類があるミノキシジル。製薬会社の試験で、塗り薬を半年以上使用した人の9割に発毛効果が見られたのですから、その効果は明らか、と言っていいでしょう。

ただ、それを「絶対」と言いきれるかというと、そうはいかないのも確かです。なぜなら、体質や肌質は個人によって違いがあるからです。
「Aさんがあんなにふさふさになったから私も」という具合に効果が現れるか、というと「YES」とは断言できないのが現実です。
でも、9割の人に効果があるという事実をふまえると、「ほぼほぼ効果がある」といったところが適当かもしれません。

市販の薬や処方薬だけじゃ物足りない?ミノキシジルほか、薬の個人輸入は危険

世の中が便利になって、店舗にないものもお取り寄せで入手できるようになりました。国内のものはもちろん、海外製品を手に取ることができるようになったのもインターネットが発達したからにほかありません。これは文明の恩恵ですね。
薬やサプリメントも、インターネット上での使用者の口コミを見て、個人で海外の製品を購入している人も多いのが昨今です。
しかし、洗剤などの日用品ならともかく、身体にダイレクトに関係する薬においては、個人輸入はお勧めすることはできません。

なぜでしょうか。理由は簡単。人体に影響の強い医薬品ということは、それだけ副作用等のリスクも高いからです。
専門の医師の診察を受けて処方されるのであれば、医療者の専門知識や経験から一人一人にあった治療薬を提供しているため、そう不安がることはないと思いますが、「個人で勝手に購入した」海外の医薬品を服用して何かあった時に、国は責任を取ってはくれません。

薬の個人輸入を利用することは、実はとても危険なのです。

終わりに

ミノキシジルの内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)を使った薬の種類やその効果についてご説明してきましたが、ご理解いただけましたか。

薄毛に悩む人には必須の治療薬「ミノキシジル」。より確かな効果を望むなら、医師の診察・処方のもと、正しく使用することが第一です。

「思うように効果が感じられない」「副作用かもしれない」…気になることがあったら、とにかくクリニックへ。専門の医師の判断を仰ぎましょう。

この記事の監修 アンファー株式会社

○事業内容
化粧品・サプリメント・健康食品・専門医師監修によるクリニック専売品などのオリジナルエイジングケアプロダクツの研究開発及び製造・販売・卸業務。

○研究開発・製造
エイジングケア分野のNPO法人・研究団体の活動を支援するとともに、専門医師・大学機関との共同研究を通じ、研究・開発を進め商品を製造。