薄毛が遺伝すると治らない?遺伝子検査や改善方法についても解説

掲載日:2021.01.06 更新日:2021.01.15

この記事の監修 アンファー株式会社

薄毛は遺伝するため家族が薄毛だと将来薄毛になってしまう、という話を聞いたことがあるかもしれません。薄毛の原因はさまざまですが、遺伝によって薄毛になりやすいかどうか、また治るのかどうかは気になる部分ですよね。そこで今回、薄毛と遺伝の関係とメカニズム、それを踏まえた対策方法について解説します。

薄毛と遺伝の関係とは?

薄毛と遺伝の関係

親族に薄毛の人がいると将来が不安になるかもしれません。「親が薄毛だから自分も薄毛になってしまうかも…」と嘆く人も少なくありません。実際に薄毛と遺伝は関係するのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

遺伝で薄毛になる?

男性の薄毛の原因に「AGA(男性型脱毛症)」というものがあります。これはヘアサイクルが乱れてしまうことで起こる脱毛で、男性ホルモンが密接に関係しているとされてきました。この男性ホルモンに関わることは遺伝子情報として受け継がれるため、薄毛が遺伝するという言説は間違いではありません。しかし、薄毛は必ず遺伝するわけではなく、あくまで薄毛になりやすい体質が遺伝するということを覚えておきましょう。

親や兄弟が薄毛でも自分が必ず薄毛になるとは限りません。逆に家族がフサフサでも自分が薄毛になる可能性も捨てきれません。では、どのような因子が薄毛に関わってくるのでしょうか。

男性が遺伝によって薄毛になるメカニズム

遺伝によって薄毛になるメカニズム

薄毛と遺伝の関係を知るにはまずAGA(男性型脱毛症)の原因を押さえましょう。

薄毛の原因のひとつであるAGAは、男性ホルモンが関与しています。
男性ホルモンは頭皮に到達すると5αリダクターゼという酵素と結びつきます。この酵素の働きでDHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる物質が生成され、毛母細胞に悪影響を及ぼしてヘアサイクルを乱すということがわかってきました。
5αリダクターゼが多ければ多いほど薄毛になりやすいということになります。

5αリダクターゼは前頭部や頭頂部などの薄毛になりやすい部分に多く存在し、この量は両親からの遺伝で受け継がれてしまいます。そのため、家族に薄毛の人がいる場合は遺伝情報として受け継がれてしまう可能性があるでしょう。

また、毛根にはそれぞれ男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と呼ばれるものがあり、この受容体がDHTを受け取ってしまうことで毛根が弱ってしまいます。アンドロゲンレセプター遺伝子はX染色体上にあることが判明しており、これは母型から受け継ぐ要素であるということを表しています。また、女性は父親のX染色体を必ず受け継ぐという性質があります。母型の祖父が薄毛の場合は、薄毛のなりやすさを受け継いで薄毛になってしまうかもしれません。

遺伝による薄毛は治らない?

遺伝による薄毛は根本から治療することができません。また、年齢を重ねるごとに進行してしまうことが多い傾向にあります。しかし、遺伝子検査を行って自分の薄毛の傾向を知り、適切な治療を受けることで改善することができます。

遺伝による薄毛かどうか調べる方法

薄毛が進行してしまった場合、その原因を突き止めることが重要になってきます。脱毛が遺伝によるものかどうかを検査するには以下のような方法があります。

  • 遺伝子検査
  • 血液検査
  • 毛髪ミネラル検査

遺伝子検査

現在では遺伝子検査の敷居が低くなっており、通販サイトなどで遺伝子検査キットを気軽に購入することができます。頬の粘膜を採取し、研究機関へ送付すると2~3週間ほどで結果を知ることができます。注射などが必要ないため気軽にできますが、100%正確ではないため過信はできません。

また、専門のクリニックでは遺伝子検査サービスを行っているところが多く、アンドロゲンレセプターや5αリダクターゼの活性強度などを詳細に調べることができます。正確さを重視したい場合は専門機関に相談してみましょう。

血液検査

薄毛の原因がAGAの影響であるのかどうかを調べるには、血液検査も有効であるといえるでしょう。脱毛は免疫系や感染症などが原因の場合もあり、また、同時に薬剤の効果が適切に現れるかどうかを調べるため、AGA専門クリニックでは事前に血液検査を行うことがほとんどです。

毛髪ミネラル検査

毛髪の成長にはミネラルが欠かせません。専門のクリニックでは、毛髪内のミネラル量を測定し、体に必要な栄養素が不足していないかどうかを調べることができます。この検査の結果でサプリメントなどを適切に処方することができ、薄毛治療に役立つ検査方法のひとつです。

遺伝による薄毛を改善する方法はある?

遺伝による薄毛を改善する方法

遺伝による薄毛を完治させることはできません。しかし治療を受けることで進行の抑制や改善を図れます。

薄毛治療で用いられる国内承認薬の「フィナステリド」や「プロペシア」は、5αリダクターゼが男性ホルモンと結びつこうとする作用を抑制することができます。体質によって効果は変わりますが、服用を続けることでヘアサイクルが整い、抜け毛の改善が期待されています。また発毛剤などに含まれる有効成分、「ミノキシジル」には発毛作用が期待できます。

医薬品には副作用が存在します。治療の際は専門のクリニックで検査を行い、自分に合った薄毛治療を見つけるのがおすすめです。

遺伝以外の薄毛になる原因

薄毛の原因は遺伝だけではありません。以下のような要因を見直してみましょう。

  • 生活習慣
  • 睡眠不足
  • 食生活の乱れ
  • ストレス

髪の毛の成長には正常な頭皮環境が欠かせません。睡眠不足や生活習慣の乱れは頭皮の血行不良に繋がりがちです。毛母細胞が正常に働くためには栄養を届ける必要があり、血行の乱れは育毛に悪影響を及ぼす可能性があります。

食生活の乱れも髪の発育を阻害する要素の1つ。髪の毛はケラチンというたんぱく質で構成されており、この物質を生成するために必要なのが亜鉛やアミノ酸などのさまざまな栄養素。髪の成長のためにはバランスの良い食生活を心掛けるようにしましょう。

また、過度なストレスを感じると自律神経が乱れ、頭皮の皮脂が過剰に分泌されてしまったり、かえって乾燥してしまったりなどの影響があることも。頭皮の皮脂は炎症や毛穴の詰まりといったトラブルを引き起こしてしまうため、育毛という観点では決して無視できない要素1つです。

薄毛の原因は遺伝してしまうが治療で改善が図れる!

薄毛の遺伝は治療で改善

薄毛の原因は遺伝する可能性があるということを解説しました。
しかし、親族に薄毛の人がいるために諦める必要はありません。遺伝子検査や血液検査を行って原因を特定し、適切な治療を行うことで改善を図ることができます。

薄毛の原因は遺伝だけではないということを忘れてはいけません。睡眠不足や生活習慣の悪化、食生活の乱れも薄毛の要因の1つ。まずは生活を見直し、ヘアケアを心掛ける習慣を始めてみましょう。

この記事の監修 アンファー株式会社

○事業内容
化粧品・サプリメント・健康食品・専門医師監修によるクリニック専売品などのオリジナルエイジングケアプロダクツの研究開発及び製造・販売・卸業務。

○研究開発・製造
エイジングケア分野のNPO法人・研究団体の活動を支援するとともに、専門医師・大学機関との共同研究を通じ、研究・開発を進め商品を製造。