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AGA(男性型脱毛症)の治療薬に使われ、日本のOTC医薬品の中で唯一発毛の効果を認められているミノキシジル。この薬を使っていると、効かなくなる状態「耐性」がつくといわれているようですが、本当でしょうか。ミノキシジルの基本情報から、気になる副作用、噂の「耐性」について、抜け毛薄毛にならないための日常のいろいろについて解説してあります。
医薬開発研究課 課長/毛髪診断士
長内 尚(おさない ひさし)
早稲田大学理工学部応用化学科および早稲田大学院先進理工学部応用化学研究科を卒業後、大手化粧品メーカーに入社。
2015年にアンファー株式会社に転職。
スカルプDをはじめアンファー商品全体の商品開発責任者として従事し、現在は新規事業企画部門責任者も兼務。
目次
AGA(男性型脱毛症)の治療薬に使われ、日本のOTC医薬品の中で唯一発毛の効果を認められているミノキシジル。この薬を使っていると、効かなくなる状態「耐性」がつくといわれているようですが、本当でしょうか。ミノキシジルの基本情報から、気になる副作用、噂の「耐性」についてや、抜け毛薄毛にならないための日常のいろいろについてお話しします。
(このコラムのポイント)
1960年代、アメリカで高血圧の治療薬(降圧剤)として使われていた薬に 、「発毛」の副作用が出るものがありました。服用した患者様の薄毛、脱毛が改善されたことから研究開発が進み、改めて発毛剤として世にでることになりました。
これが、現在日本のOTC医薬品で発毛剤として承認されている唯一の成分「ミノキシジル」です。
ミノキシジルには頭皮に直接塗布する外用薬(塗りミノ)と、タブレット(錠剤)の内服薬があります。
外用薬(塗りミノ)と内服薬では、効果の強さや副作用のリスクなどが異なります。内服薬は効果も副作用も全身症状、外用薬(塗りミノ)は塗布した部分への局所的な影響が主です。
しかしこれはあくまでも一般的な傾向で、個人の体質や環境によって変わるため、一概には言えません。
現在、ミノキシジル内服薬(通称:ミノタブ)については、皮膚科や頭髪治療の専門クリニックなどの医師の処方を受けて服用するのが一般的です。
はじめに、「薬の耐性」について説明します。
薬における耐性というのは、医薬品の反復投与によって、身体が抵抗性を獲得し、薬の効力が低下する現象のことです。簡単に言うと、「薬が効かなくなる」ということです。
耐性が生じるかどうかは、服用する人の体質やその薬剤の種類によって異なります。
糖尿病や狭心症の薬などでは、耐性が生じると治療薬を中断、或いは変更せざるを得なく、困った事態になります。
さて、飲むタイプのミノキシジルの耐性についてお話ししましょう。
治療薬としてのミノキシジルは、ある程度の長い期間服用することになります。
ミノキシジルが薬物である以上、耐性があるのかもしれませんが、現時点でミノキシジルに関して耐性を裏付ける医学的な報告も根拠もないので「医学的には認められていない」というのが正しい見解です。ただ、長期間服用する使用者から「前ほど発毛効果が感じられない」といった声があがっているのも事実です。
しかし、以前ほど発毛効果が感じられないのは、ストレスや睡眠不足、髪の生え変わるサイクルなど、ミノキシジルとは無関係の原因もあり得ます。
たとえ効果が感じられなくても、必ずしもミノキシジルの耐性が原因とは言えないのです。
でも、実際に服用している人にしてみると「効果があまり感じられない」のは大問題。そしてその問題に何らか対処したいのが人間です。
内服薬(ミノタブ)のミノキシジルが医師の処方によるものであれば、効果が薄くなったと感じたらまず医師に相談するのがいいでしょう。もしかしたら、ミノキシジルが原因ではなく、もっと別の理由かもしれませんが、素人が原因を追求するのは難しいもの。医師の判断を仰ぎましょう。
重ねて言いますが、「あまり効果を感じられないのでたくさん飲む」のだけは避けましょう。
実はミノキシジルの耐性については、医学的に耐性の有無を証明できる根拠や報告がないので、「あるともないとも言えない」というのが現在の状況です。
「じゃあないんだ」と言ってしまえればいいのですが、長期服用をすると、効果が薄くなったと感じる人がいるのも事実なようです。
ミノキシジルに耐性があるのか、あるのならどう対処すればいいのか。
このコラムではそれらについてお伝えしてきました。
ミノキシジルの耐性については「あるともないとも言えない」という曖昧な表現でしか語れないのが現状です。このあたりは、今後のさらなる医学的研究の発展を待つしかありません。
万一、服用中に「発毛効果が以前ほど感じられなくなった」と感じたら、医師に相談し、ひとまず休薬する、他の種類の薬に変えるなど、手だてを講じてみるのもいいかもしれませんが、
睡眠時間は足りていますか?
不規則な生活を送っていませんか?
ストレスは?
毛髪には生え変わるリズムがありますが、そのリズムの影響とは考えられませんか?
シャンプーや整髪剤が合わないということはありませんか?
ストレスのない、規則正しい生活を送ることも健全な頭皮のためにはとても大事です。
ミノキシジルの耐性を感じたら、ご自身の生活をいま一度見直してみることもおススメします。
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医薬開発研究課 課長/毛髪診断士
長内 尚(おさない ひさし)
早稲田大学理工学部応用化学科および早稲田大学院先進理工学部応用化学研究科を卒業後、大手化粧品メーカーに入社。
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